海外で「姥捨山」に近い制度や場所はありましたか?

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「姥捨山」とは、日本の伝統的な風習の一つで、老人や病人などが家族から疎まれたり、面倒を見ることができなくなった場合に、山や川などに放置されることを指します。この風習は、現代ではほとんど行われなくなっていますが、海外にも似たような制度や場所が存在するのでしょうか。

ヨーロッパ

ヨーロッパでは、中世から近代にかけて、貧困層や病人、孤児などが集められていた「恥辱の場」と呼ばれる施設がありました。ここでは、社会的に抑圧された人々が生活することができましたが、同時に、社会から隔離され、差別的な扱いを受けることもありました。

また、19世紀のイギリスでは、貧困家庭の子供たちが、工場や鉱山で働くために、都市から遠く離れた地方にある、厳しい生活条件の下で暮らす「児童移民制度」が存在しました。これは、子供たちの生活を改善するためのものでしたが、一方で、子供たちが虐待や劣悪な労働条件にさらされることもありました。

アメリカ

アメリカには、19世紀から20世紀にかけて、先住民族の「インディアン」が、強制的に保護施設に収容される「インディアン保護政策」が存在しました。この政策は、先住民族を白人社会に同化させるためのものでしたが、結果として、文化の破壊や虐待、疾病の蔓延などが起こりました。

また、20世紀には、精神病院に入院することが強制される「精神医療強制制度」が存在しました。この制度は、精神病を患っている人々を社会から隔離するためのものでしたが、一方で、不当な逮捕や虐待、患者の人権侵害などが問題視されています。

アジア

アジアでは、インドの「カースト制度」が知られています。これは、社会的な階級制度であり、出生によって決まるもので、下位の階級に生まれた人々は、上位の階級の人々に仕えることが強制されました。また、パキスタンやアフガニスタンなどでは、女性が家族から疎まれたり、暴力を受けたりする「名誉殺人」が問題視されています。

中国では、かつて「生業法」と呼ばれる制度が存在しました。これは、貧困層や病人、孤児などが、家族から疎まれたり、面倒を見ることができなくなった場合に、商人や農民に身を売って働くことを強制されるものでした。この制度は、清朝時代から始まり、中華民国時代に廃止されました。

まとめ

海外には、「姥捨山」に近い制度や場所が存在することがわかりました。これらの制度や場所は、社会的に抑圧された人々を収容するためのものでしたが、一方で、人権侵害や虐待などの問題も起こりました。現代においては、人権や平等が重要視されるようになってきており、これらの問題に対処するための取り組みが求められています。

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