日本語には、同じような使い方をする単語がたくさんあります。その中でも、よく混同されるのが「対して」と「大して」です。この二つの単語の違いについて説明していきます。
「対して」とは?
「対して」とは、「~に対して」という意味を持ちます。つまり、比較対象を示すときに使います。例えば、「彼は私に対して優しい」という文では、私という人物が比較対象になっています。
また、「対して」は、否定の文にも使われます。例えば、「彼女は勉強しなかったので、成績はあまり伸びなかった」という文で、成績が伸びなかったことが否定されています。
「大して」とは?
「大して」とは、「あまり~ない」という意味を持ちます。つまり、期待するほどではないというニュアンスが含まれます。例えば、「彼は大して優しくない」という文では、彼の優しさに期待していたが、実際はそうでもなかったということが言われています。
「大して」は、否定の文にも使われます。例えば、「彼女は勉強しなかったけど、成績は大して落ちなかった」という文で、成績が落ちなかったことが肯定されています。
「対して」と「大して」の使い分け
「対して」と「大して」は、同じような使い方をする単語ですが、使い分けには以下のような違いがあります。
・「対して」は、比較対象を示すときに使います。一方、「大して」は、期待するほどではないというニュアンスが含まれます。
・「対して」は、比較対象がある文で使われることが多いです。一方、「大して」は、比較対象がない文でも使われることがあります。
・「対して」は、肯定の文でも否定の文でも使われます。一方、「大して」は、否定の文で使われることが多く、肯定の文ではあまり使われません。
例文で理解する
以下に、例文をいくつか挙げて、「対して」と「大して」の使い分けを理解していきましょう。
例文1:彼は私に対して優しい。
この文では、「対して」が使われています。私という人物が比較対象になっています。
例文2:彼は大して優しくない。
この文では、「大して」が使われています。「優しくない」ということが、期待するほどではないというニュアンスが含まれています。
例文3:彼女は勉強しなかったので、成績はあまり伸びなかった。
この文では、「対して」が使われています。勉強しなかったことが比較対象になっています。
例文4:彼女は勉強しなかったけど、成績は大して落ちなかった。
この文では、「大して」が使われています。成績が落ちなかったことが、期待するほどではないというニュアンスが含まれています。
まとめ
「対して」と「大して」は、同じような使い方をする単語ですが、使い分けには違いがあります。「対して」は、比較対象を示すときに使い、「大して」は、期待するほどではないというニュアンスが含まれます。また、否定の文で使われることが多いため、「大して」は注意して使うようにしましょう。