起立性調節障害とは、立ち上がった際に血圧が急激に下がり、めまいやふらつき、失神などの症状が現れる疾患です。このような症状が頻繁に起こると日常生活に大きな影響を与えます。そこで、多くの患者さんが気になるのが、この病気は完治するのかということです。
起立性調節障害の原因
まず、起立性調節障害の原因について考えてみましょう。この病気は、自律神経の異常が原因とされています。自律神経は、心臓や血管、消化器官などを制御する神経で、血圧や心拍数、消化吸収などを調節しています。しかし、この自律神経が乱れると、血圧や心拍数の調節がうまくいかなくなり、起立時に血圧が急激に下がることがあるのです。
起立性調節障害の症状
起立性調節障害の代表的な症状は、めまいやふらつき、失神などです。また、立ち上がった直後に顔が赤くなることもあります。これらの症状は、血圧が急激に下がることによって起こります。また、症状が現れる時間帯によって、以下のように分類されることがあります。
起立性調節障害のタイプ
1. 単純性起立性低血圧症候群
朝起きた際や食事後に症状が現れるタイプです。食事後に症状が現れることから、食後性低血圧症候群とも呼ばれます。
2. 中枢性起立性調節障害
症状が日中に現れるタイプです。自律神経の障害が原因とされています。
3. 遅発性起立性低血圧症候群
症状が夕方以降に現れるタイプです。朝起きた際には症状がなく、日中に現れることはありません。
起立性調節障害の治療法
起立性調節障害の治療法については、以下のようなものがあります。
1. 生活習慣の改善
まずは、生活習慣の改善が必要です。例えば、睡眠時間の確保や、適度な運動、塩分や水分の制限などが挙げられます。
2. 薬物療法
薬物療法としては、血圧上昇薬や血管収縮薬、抗不整脈薬などが用いられます。これらの薬は、血圧を上げたり、血管を収縮させることで、症状の改善につながります。
起立性調節障害の完治について
起立性調節障害の完治については、症状の程度や原因によって異なります。軽度の場合は、生活習慣の改善や薬物療法で症状が改善されることがあります。しかし、重度の場合や、原因がはっきりしない場合は、完治することは難しいとされています。
起立性調節障害と日常生活
起立性調節障害を患っている場合、日常生活に大きな影響を与えることがあります。例えば、外出時には常に転倒の危険があるため、歩行補助具を使用することが必要になることもあります。
1. 運転について
起立性調節障害を患っている人は、運転が危険です。車を運転する前には、必ず医師に相談してください。
2. 仕事について
起立性調節障害を患っている場合、仕事に影響を与えることがあります。例えば、長時間の立ち仕事や、高所作業は危険です。また、機械操作なども危険なので、仕事内容に応じて医師と相談して、適切な対策を取る必要があります。
起立性調節障害と運動
起立性調節障害を患っている場合、運動はどのようにすれば良いのでしょうか。運動は、血圧を上昇させて症状を改善することができますが、過度な運動は逆に症状を悪化させる恐れがあります。
1. 運動の種類
運動の種類としては、軽いウォーキングやストレッチなどが良いでしょう。また、水泳やサイクリングなど、水中や座位で行う運動もおすすめです。
2. 運動の頻度
運動の頻度は、週に3~4回、1回30分程度が目安です。しかし、運動前には必ず医師に相談してください。
まとめ
起立性調節障害は、自律神経の異常が原因とされる疾患です。症状は、めまいやふらつき、失神などがあり、生活習慣の改善や薬物療法などが治療法として用いられます。しかし、症状の程度や原因によっては、完治することは難しいとされています。運動は、血圧を上昇させて症状を改善することができますが、過度な運動は逆に症状を悪化させる恐れがあります。日常生活においては、運転や仕事などに注意が必要です。